要支援・要介護とは、ずばり日常生活の中でどの程度の介護(介助)を必要とするのかという介護の必要度合いをあらわすもの!
介護保険の利用について、「要支援・要介護」という言葉を耳にしたことがあると思います。
要介護認定の結果には、「自立、要支援、要介護」があります。
この結果によって、受けられるサービスやその頻度など、さまざまな違いが出てきます。
要支援、要介護にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
要介護・要支援とは?
要支援・要介護とはずばり一言でいうと、日常生活の中でどの程度の介護(介助)を必要とするのかという介護の必要度合いをあらわすものです。
介護保険サービスを利用するには、お身体の状態や認知症の有無などから、要支援・要介護認定を受け、どの程度のサービスを受ける必要があるかを判定してもらう必要があります。
厚生労働省では、自立・要支援・要介護共に以下のような状態として考えられています。
1,自立とは
「歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、かつ、薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態のこと」簡単にいうと、一人で生活でき、介護や支援を必要としていない状態です。
2,要支援とは
「日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態のこと」簡単にいうと、日常生活は自分で行うことができるが、多少の支援が必要な状態を言います。
例えば、入浴は自分一人でできるが、浴槽の掃除はできないといった、具体的な生活支援が必要な状態です。
要支援は2段階に分けられます。
利用サービスは介護予防サービスとなりますので、地域包括支援センターで介護予防ケアプランを作成し、サービスを利用する流れとなります。
介護予防サービスは住み慣れた地域環境で、継続して生活するためのサービス(在宅)が中心ですが、基本的には一人で生活できる状態の方が要支援認定となりますので、家族の介護負担はそこまで大きくありません。
・要支援1
基本的には一人で生活できる状態だが、日常の複雑な動作には部分的な介助を必要とする。
適切な介護や支援を受ければ、要介護状態への予防が見込まれる。
例:食事や排せつ、入浴などほとんど自分で行えるが、掃除などが一人ではできない。
・要支援2
基本的には一人で生活できる状態だが、要支援1と比較して、日常の複雑な動作に介助を必要とする場面が多くなる。
適切な介護や支援を受ければ、要介護状態への予防が見込まれる。
例:食事や排せつなどは自分で行えるが、入浴時に背中を洗えない。浴槽を跨げない。
3,要介護とは
「日常生活上の基本的動作についても、自分で行うことが困難であり、何らかの介護を要する状態のこと」簡単にいうと、日常生活全般において、自分一人で行うことが難しく、誰かの介護が必要な状態ということです。
例えば、お風呂の時に身体を自分で洗えないために入浴介助が必要など、他者の支援が必要な状態です。
要介護は、5段階に分けられます。
利用サービスは介護サービスとなりますので、居宅介護支援事業者に属しているケアマネジャーにケアプランを作成してもらい、サービスを利用する流れとなります。
要介護は段階により大きく状態が異なるので、要支援のように在宅で受けるサービスから、施設で受けるサービス、施設に入居して受けるサービスなどサービスの幅が広がります。
家族の介護負担は、在宅で介護をする場合、要介護度が重くなれば重くなるほど、ほとんど終日を介護時間に費やすことになります。
運動機能だけでなく思考力や理解力の点でも低下がみられる要介護は、介護サービスをうまく利用して、家族の負担を減らす工夫をする必要があります。
・要介護1
立ち上がりや歩行が不安定で、日常生活において部分的に介護が必要な状態。
例:排せつ時のズボンの上げ下ろし、入浴時、着替え等に介助が必要。
・要介護2
立ち上がりや歩行が自分でできないことが多く、日常生活全般に部分的な介助が必要な状態。
例:見守りがあれば着替えはできるが、排せつや入浴の一部、あるいは全てに介助が必要。
・要介護3
立ち上がりや歩行が自分では困難で、日常生活全般に全介助が必要な状態。
また認知症の症状があり、日常生活に影響がある。
例:排せつ、入浴、着替えの全てに介助が必要。認知症の症状に対応が必要。
・要介護4
立ち上がりや歩行が自力ではほとんどできない。
食事などの日常生活が、介護がないと行えない状態。
コミュニケーションの部分でも、理解力の低下があり、意思疎通がやや難しい。
例:排せつ、入浴、着替えに全て介助が必要な状態。
認知症による暴言や暴力、徘徊などの症状に対しての対応がより必要。
・要介護5
寝たきりの状態で、日常生活全般ですべて介助が必要な状態で、理解力低下が進み、意思疎通が困難。
例:寝たきりで食事やオムツ交換、寝返りなど介助がないと自分ではできない。
話をしても応答がなく、理解が難しい。
要支援2と要介護1の分かれ目となる2つの基準
分類の中で一番わかりにくいのが、「要支援2」と「要介護1」の分かれ目です。
使えるサービスや支給限度基準額に大きな違いが出てきますので、知っておきたいポイントですね。
基準は、大きく2つあります。
1)認知症の有無
運動機能だけでなく思考力や理解力の点でも低下がみられるかどうか、いわゆる認知症の疑いが高いと判断された場合、要介護1と判定されます。
2)状態の安定性
主治医の意見書などの調査より、半年以内に状態が大きく変わる可能性があると判断された場合、要介護1と判定されます。
このどちらか1つでも当てはまると判断された場合は「要介護1」と判定される可能性が高くなります。
最終的には、介護認定審査会という会議で話し合われ要介護度が決定するため一概に線引きはできませんが、参考程度に覚えておきましょう。
いかがでしたでしょうか。
わずかな違いでも要支援・要介護認定では、段階が変わり利用できるサービスが異なります。
当てはまるのか当てはまらないのか自分で判断をせず、少しでも介助が必要な状態になった時には、要支援・要介護認定を受けてみるとよいでしょう。
また、介護認定調査のときには、日々どのような介護を行っているのかを調査員に正しく伝えましょう。
正確に伝えないと、要介護認定が実際の介護状況より軽く判定され、必要な介護サービスを受けられない場合があります。
要支援・要介護の違いを理解した上で、介護保険の申請や介護サービスの利用を検討してみましょう。
次回は、デイサービスのレクリエーションをご紹介します!
お楽しみに★