様々な障害の特徴を理解することで臨機応変に対応できるスキルが身に付きます♪
一度その分野の資格や専門性を身につけると、他の介護施設でも役に立つことが多く、転職の際も有利★
障害福祉サービスを提供している施設のひとつに「障害者支援施設」があります。
名前は聞いたことがあっても、実際にどのような業務を行っているかはよくわからないという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、障害者支援施設の利用対象者や提供サービス内容、高齢者介護との違い、働くのに向いている人などについて詳しくご紹介します。
障害者支援施設とは?
障害者支援施設では施設入所支援と生活介護・自立訓練・就労移行支援などの障害福祉サービスを行っています。
・施設入所支援
施設に入所する障害者に対し、主に夜間の介護、相談援助、日常生活上の支援を行います。
生活介護・自立訓練・就労移行支援などの日中サービスと合わせて、障害者の日常生活を一体的に支援しています。
・生活介護
障害者に対し、主に昼間の介護、相談援助、日常生活上の支援、その他、創作的活動・生産活動の提供を行います。
生活介護は、入所者だけでなく地域に住んでいる方も利用できるサービスとして、障害者の身体機能・生活機能の向上や社会参加を支援します。
・自立訓練(生活訓練)
知的障害者、精神障害者に対し、施設への通所や居宅へ訪問し、自立した日常生活を送るための訓練や相談援助を行います。
自立訓練(生活訓練)は、施設や病院に長期間入所・入院していた障害者に、地域生活を送る上ための訓練を中心に行い、地域生活への移行を支援します。
・就労移行支援
就労を希望する障害者に対し、就労に必要な訓練の実施、就労に関する相談援助を行います。
就労移行支援では、生産活動、職場体験、実習などを通して、就労に必要な知識の習得、能力の向上を行い、本人の適性に合った職場のマッチングなどを行います。
障害者の身体機能・生活機能の向上や社会参加を支援します。
ちなみに障害福祉サービスには、居宅介護・重度訪問介護・生活介護・短期入所(ショートステイ)・自立訓練(機能訓練・生活訓練)・自立生活援助・共同生活援助(グループホーム)などさまざまなものがあります。
複数のサービスを提供する障害者支援施設は多機能型事業所でもあるのです。
利用対象者
障害者支援施設の利用対象者は、知的障害や身体障害などにより、介護・援助を要し、自宅での生活も難しい障害者です。
障害支援区分で区分4以上、50歳以上なら区分3以上が対象です。
夜間の生活介護を必要とし、通所による訓練が困難な方に、入所による支援を提供します。
仕事内容
障害者支援施設では、食事や入浴の介助、おむつ交換、レクリエーションなどを行います。
また、パソコンの操作方法や調理補助など、ご利用者の自立に向けた訓練にも対応します。
必要であればご利用者や家族の相談に応え、掃除などの雑務も行います。
ハンデのある方の日常生活や社会生活を支援する仕事であり、基本的な業務は高齢者向けの施設と大きな変わりはありません。
入所施設の場合は、早出・日勤・遅出・夜勤の勤務形態があります。
ご入居者が就寝したあとは、定期的に巡視を行いながら翌日の準備を進めます。
自分の希望する働き方が実現できるかは、募集要項やWebサイトで事前に確認しておきましょう。
高齢者介護との違い
基本的な業務は高齢者介護と大きな変わりはありませんが、一方で違いもあります。
その一つとして、障害者支援施設では、18歳以上のハンデのある方を受け入れているため、高齢者向けの施設とは異なり、若年層から高年齢層までサポートしているのが特徴的です。
ハンデのある方の中には、先天性の人もいれば病気や事故で障がいをもった人もいます。
年齢や状態の違いのあるご利用者を対応するため、一人ひとりに適した丁寧な対応を行うことが大切です。
また、知的障害がある方を対象とした知的障害者施設は、高齢者介護施設や身体障害の方が入所する施設に比べて「体力的に楽」という特徴があります。
人によって異なりますが、移動や食事といった日常生活は自立で行える方が多いことが理由でしょう。
そのため身体介護はあまり行わず、生活支援がメイン業務となります。
入所する方のスケジュールにはゆとりがあり、余暇時間も比較的多く設けられることが多いのも特徴です。
余暇時間には自室で思い思いに過ごす方が多いようです。
施設内の雰囲気は明るく、介護よりも「支援」の要素が強い傾向が見受けられます。
一方で、知的障害のある方は物事に対してこだわりを持つことも多く、対応を間違えるとパニックを起こしたりトラブルにつながったりするケースも珍しくありません。
一人ひとりの特徴や傾向をしっかりと理解し、それぞれに合うサポートを行うことが大切でしょう。
障害者グループホームとの違い
障害のある方が暮らす場所を提供するサービスといえば障害者グループホームもありますが、障害者支援施設との違いはいくつかあります。
まず経営母体ですが、障害者支援施設は国・地方公共団体・社会福祉法人限定です。
一方、グループホームは社会福祉法人・NPO法人・株式会社など、さまざまな法人によって運営されています。
また、利用対象者も異なります。
障害者支援施設は先述した通り、障害支援区分が区分4以上(50歳以上は区分3以上)が基本です。
しかし、障害者グループホームは特に対象区分は決められていません。
ただ、身体障害の場合、65歳未満もしくは65歳に達する前日までに障害福祉サービスやこれに準ずるものの利用実績がある人を対象としています。
提供サービスについては似ている部分も多いですが、障害者グループホームの大きな特徴は地域生活での自立の実現を目的としている点です。
地域にある住宅を利用したグループホームでの集団生活を通して、将来的に地域社会に根差した一人暮らしをすることを目指している人が多く見られます。
また、基本的に夜間の支援のみで、日中は各々で職場などに通っている場合がほとんどです。
障害者支援施設で働くのに向いている人
障害を持っている人は、重度の知的障害を伴う場合はコミュニケーションもままならないこともあります。
また、自閉症など、障害を持っている人は自分でコントロールできない苦しさにもがいている人や、それすら自覚していない場合もあります。
他には、ひとそれぞれにこだわりがあるなど、ひとり一人の障害のレベルはもちろん、癖や習慣を理解することがまず第一歩なのです。
人の気持ちや表情の変化に敏感で、気持ちの波を理解することが得意な人は、障害者支援施設に向いていると言えるでしょう。
また、利用者がパニックを起こした際などは臨機応変に対応する必要もありますので、状況を客観的に捉える力も必要とされます。
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障害者支援施設で働くことで、様々な障害に対する偏見がなくなり、特徴を理解することで臨機応変に対応できるスキルが身に付きます。
一度その分野の資格や専門性を身につけると、他の介護施設でも役に立つことが多く、転職の際も有利と言われています。
また、障害を持っている人が介護を受ける中で自立していき、就職できたときには喜びを一緒に分かち合うことができるのは、介護施設では味わえないやりがいのひとつでしょう。
障害者支援施設によって描けるキャリアプランも変化します。
業務や施設の特徴を理解し、自分に合った環境で働きましょう♪
次回は、ケアマネジャーについてご紹介します!
お楽しみに★