【知っているだけで大違い】認知症ケアにおけるユマニチュードとは?4つの柱とケアの5ステップを解説

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「見る」「話す」「触れる」「立つ」をケアの軸とする
「出会いの準備」→「ケアの準備」→「知覚の連結」→「感情の固定」→「再会の約束」の順でケアを行う

認知症の人への対応で悩んでいる介護士やご家族も多いのではないでしょうか。
この記事では、近年注目を集めている認知症ケアの技術「ユマニチュード」について解説します。
取り組むうえで必要な5つのステップや効果についても。
ぜひ日常のケアに取り入れて、お互いにとってより負担の少ない介護を目指しましょう!

 

ユマニチュードとは

ユマニチュードとは「人間らしさを取り戻す」ことを意味するフランス語で、フランス発祥の認知症のケア技法のことです。
「人間らしさと優しさに基づいた認知症ケア」を表現する言葉として、日本でも注目を集めている考え方です。
ご自身のご家族の介護で悩んでいる人もそうではない方も、この考え方に触れてみると、介護「する人」と「される人」の双方が人間らしく寄り添うことの大切さが見えてくるはずです。

 

認知症のケアはなぜ大変?

認知症の人に介護を拒否されてしまう理由のひとつに、認知機能の低下があります。
認知機能が低下していると、介護者を拒絶したり、感情的になったりすることがあります。
ユマニチュードでは、相手にしっかり届く話し方や触れ方のケア技術をきちんと使うことで、認知症の人と良い関係を築きやすくなるのです。
関係が良好であれば、少しずつ「この人と一緒にいることは心地良い」という感情記憶が認知症の人に残るようになり、介護を受け入れてもらいやすくなるのです。

 

ユマニチュードの4つの柱(ケアする側の心構え)

ユマニチュードでは、介護を提供する側の心構えとして4つのケア技術を提唱しています。

見 る

「見る」という行為により、ポジティブなメッセージを伝える技術です。
・同じ高さから目線を合わせることで、平等な関係性であることを伝える
・正面から見つめることで、相手への誠実さや信頼感を伝える
・近くから目を合わせることで、優しさや親密さを伝える

話 す

「話す」ときは、声のトーンは優しく、ゆっくりと穏やかに語りかけるように心がけます。
話せない方をケアする場合は、介護を行っている自分の手の動きを実況中継する「オートフィードバック」法を使います。
「左腕を少し上げます」や「温かいタオルで左手の甲を拭いています」といった言葉を重ねて、相手の反応をみながらコミュニケーションをしていきます。

触れる

愛しい人に触れるときのように、優しく包み込むような動作で触りましょう。
一番やってはいけないことは、つかんだり、ひっかいたり、つねったりすることです。
急につかんだりすると、本人にそのつもりがなくても認知症の人に対して攻撃的な印象を与えかねません。
手のひら全体で優しく背中に手を添えるなど、広い面積でゆっくりと優しくれるようにすると、安心感を与えることができます。
また、いきなり手や背中など敏感な部分を触ると、「ビクッ」と驚かせてしまう恐れがあるため、肩や腕など体の鈍感な箇所から触れていくことも大事です。

立 つ

人間にとって「立つこと」は、尊厳や人間らしさの象徴とも言えるものです。
座っている状態では、寝た状態よりも空間を立体的に認知しやすくなり、それによって「自分がここに存在している」という自覚をより強く持つことができます。
立ち上がることができれば、空間は縦方向にも広がることになります。
より多くの空間的な情報を得ることで、自分の存在をさらに強く意識することができます。
また、立つことで循環器系や呼吸器系の機能が活発化し、骨粗しょう症の改善や筋力アップを図れるほか、褥瘡の予防にもつながります。
ユマニチュードでは、ケアが必要な高齢の人に1日20分ほどの立つ時間や機会を作れば、立つ能力は維持されると提唱されています。
この20分というのは必ずしも散歩などで連続して立っている必要はなく、トイレや食堂まで歩く、洗面やシャワーを立って行うなど、生活の中で自然に取り入れることで実現できます。

 

ケアする際の5つのステップ

ユマニチュードではすべてのケアを一連の物語のような手順「5つのステップ」で実施します。

1.出会いの準備

「出会いの準備」とは、来訪を伝えることです。
部屋の中にいる認知症の人に「誰かが会いに来た」ことを知らせ、それを受け入れるかどうかを選択してもらう形を取ります。
方法としては、3回ノック→②3秒待つ→(返事がなければ)③3回ノック→④3秒待つ→⑤1回ノックしてから(「入りますよ」と声をかけて)部屋に入る→⑥ベッドボードをノックする です。
大事なことは、自分が来たことを告げて、相手の反応を待つことを繰り返し、徐々にこちらの存在に気づいてもらい、次のケアに繋げていくことです。

2.ケアの準備

「ケアの準備」は、「あなたに会うために来た」というメッセージを伝え、関係性を築く段階です。
認知症の人と親しくなれるような言葉や態度を取ることが大事で、話すときはポジティブな言葉だけを使うようにし、ユマニチュードの柱における「見る」や「話す」、そして「触れる」の技術を使いながら絆を作っていくのです。
もし、3分以内にケアを行う同意が得られないようなら、ケアすることは諦めて、出直しましょう。
この「ケアの準備」の段階を経ることで、認知症の人の攻撃的な行動が減少し、ケアに協力的になることが知られています。

3.知覚の連結

・常に「見る」「話す」「触れる」のうちの2つ以上を同時に行うこと
・五感から得られる情報は常に同じ意味を伝えること
優しく話しかける一方で、手を強く握るなどの行為を行ってしまうと、届けるメッセージに矛盾が生じます。
言葉と行動に調和や一貫性を持たせながら接することがここでは重要です。
本人の五感に伝わるものすべてが、同じ意味を持ち、「あなたを大切に思っている」というポジティブなものとなるようにするのです。

4.感情の固定

ケアが終わったら、気持ちよくケアが受けられたことをご本人の記憶にしっかりと残し、次のケアに繋げましょう。
ケアを終えた後「気持ちよかったですね」と声を掛けることや、ケアに協力してくれたことに丁寧にお礼を述べることで、本人は「心地良い時間を過ごせた」と感じることができます。
例えば「お疲れさまでした」などと声を掛けると、「ケアを受けて大変でしたね」といった否定的な意味合いを含みかねないので、ここでは不適切な表現となるのです。
認知症の人は、前回のケアがどのような内容だったのかを忘れていることが多いのですが、「この人は自分に嫌なことをしない人かどうか」という「感情記憶」は残っています。
気持ちよくケアを終えられたことをお互いに確認し合い、そのうえで次のケアにつなげることが重要
になるわけです。

5.再会の約束

最後にそばを離れる前に、再開の約束をします。
認知症の人の場合、「またお会いしましょう」と言っても、そう言われたことを記憶できないかもしれません。
しかし、「自分に優しくしてくれた人がまた会いに来てくれる」という期待感や喜びは、感情記憶として残ります。
ベッドの横に設置したメモ帳に「また夜の7時に会いに来ます」などと伝言を残しておくと、それを何度も目にすることで、「優しくしてくれる人が来る」という楽しみを繰り返し感じることができます。
再開の約束を言葉としてではなく、「感情」として行うことで、次回に会ったとき、笑顔で迎えてくれるようになります。
それによって、ケアをスムーズに開始できるようになるのです。

 

ケアを受ける人、する人への効果

ユマニチュードによるケアはフランスで高い効果を上げており、認知症の人が服用する向精神薬の使用量が減少することや、介護スタッフの離職率が低下するなどの調査結果が報告されています。
認知症を発症すると、言葉や態度が攻撃的になることも少なくなくありません。
しかし、ユマニチュードのケアを受けることでそのような症状が収まり、以前のような社交的な姿を取り戻すというケースが多く報告されています。
例えば、それまで暴言を繰り返していた人が、ユマニチュードのケアによって態度が一変し、介護者にピースサインをするようになることもあります。
本当の笑顔に触れ、介護する側もされる側も、一緒に笑い、充実感に包まれる。
このことが、ユマニチュードの大きな効果です。

 

次回は「介護のコミュニケーションで大事なこと」についてお伝えします!
お楽しみに★


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