◆人間関係が悪い、体力的にきつい、給与が低い・・・など
◆介護職をやめた方が良い人もいれば辞めない方が良い人もいます♪
一度冷静に現状を振り返ってみましょう!
介護職として働く人の中には、日々さまざまな負担から「介護職、もう辞めたい……」と思っている人も少なくありません。
この記事では、実際に介護職を辞めたい理由をじっくり掘り下げていきます。
もう一度自分の働き方を見直してみてはいかがでしょうか?
▼介護職を辞めたいと思う理由8選
1. 人間関係が悪い
介護施設は、24時間365日利用者の方に寄り添いながら介護を行います。
チームで仕事をするため、人間関係は他の職場よりも濃くなる傾向にあり、人間関係が悪化すると仕事に悪影響を及ぼしてしまいます。
公益財団法人介護労働安定センターが実施した調査では、「介護職を辞めた理由」として「職場の人間関係に問題があったため」の回答が最も多い結果になっています。
一口に人間関係のトラブルといっても、その相手は同僚・先輩・上司・利用者など様々です。
まずは自身で解決することを前提に、状況を理解してくれる人に相談することがポイントです。
2. 幸せな結婚・出産・育児がしたい
特に女性に多い理由として、結婚・妊娠などをきっかけに自身のライフプランを考えて辞めるケースがあります。
介護職は忙しく、家庭との両立が難しいことから、ワークライフバランスを確保するために辞める決断をしているわけです。
結婚後やこどもが生まれた後にどのような生活をしたいのか、よく考えてみましょう。
希望する生活水準を想定して、今の職場の給料制度(ベースアップ)で満足できるか、育休休暇や時短勤務などにも理解のある職場かどうか、振り返ってみてはいかがでしょうか。
3. 施設や事業所の経営方針に合わない
この理由を挙げる人の多くは、おそらく入社前に聞いた会社の理念と実際の仕事内容が、「余りにもかけ離れていた」と痛感しているのではないでしょうか。
よく聞く理由として「本来あるべきはずの手厚い介護ができていない」というのが挙げられます。
しかし、不満は課題として捉えることもできます。
課題が明確であれば、介護施設側に改善策とその期限を投げかけてみるのも一手。
提案後の様子を見て判断しましょう。
4. 給料が低い
多くの介護職員が直面する、介護業界の低賃金問題。
介護職は重労働でありながらも、給与に反映されないと感じる方も多くいます。
現状の給与に不満があるなら、まず雇用契約書を確認しましょう。
記載されている内容は守られているか、今後昇給する可能性があるのかどうか、残業代や手当はきちんと支給されているのかを確かめ、「怪しいな」と感じたら施設長や人事といった「給与部門の担当者」に相談してみましょう。
また、すぐに昇給することは難しくても、資格手当のために資格を取る、夜勤帯のシフトを増やすなど、自分の努力で現状が変えられる場合もあります。
5. 体力的・精神的につらい
介護職の仕事は、利用者の入浴介助や着脱介助など、身体を支えるなどの力仕事も多く、肉体的負担が大きいです。
日々の介助による足腰の負担から、ぎっくり腰を患ってしまったり、日勤と夜勤の変則勤務や、職場の人間関係に悩まされたりして、精神的につらくなる人も少なくありません。
こうした心身面の負担が退職理由の場合、つらい現状を一刻も早くだれかに伝えることが「自分の心と体を守る」と考えましょう。
熟練の先輩スタッフに相談すれば、体の使い方や有効なアフターケアを教えてもらえるはず。
メンタル面のケアは、一概にはいえませんが、冷静な判断が難しいときは、環境を一旦リセットする必要があるかもしれません。
ゆっくり回復するために休職を検討するのも良いでしょう。
6. 他の職場や仕事に興味がある
他にやりたい仕事があって悩んでいる場合、まずは転職のきっかけを振り返ることが重要です。
高待遇や全く異なる職場環境に惹かれて、今の職場を辞めたいと感じてしまうこともあります。
だれもが今の仕事に満足している訳ではなく、どの職場でも多かれ少なかれつらさは伴うものです。
思い切って新しい環境に飛び込んでみるのも良いですが、自分の適性や、今の職場のつらさは一時的なものかどうかなども考慮しましょう。
7. 人手不足で忙しすぎる
介護業界は慢性的な人手不足の状況にあり、人員補充もなく、地獄のような業務負担に耐えられずに「辞めたい」と感じる方も多いのが実情と言えるでしょう。
また、人手不足であることは当然ワークライフバランスにも影響し、休みが思うように取れないという弊害も起こしています。
ただでさえ休日が少ない上に、施設や人員の状況によっては休日出勤を半強制されるようなこともあるため、大きな負担となります。
介護現場ではシフト調整や派遣社員のヘルプを依頼する、ICT化を導入するなど、さまざまな取り組みが行われています。
まずは今の職場が人員配置の基準を満たしているのかどうかを確認しましょう。
また、コミュニケーションを密に取ることでイライラが解決することもあります。自分から周囲に働きかけてみましょう。
8. 労働環境や条件が悪い
人手不足である点にも通じるのですが、労働時間が長すぎたり保険や補償が不十分な事業所もあります。
労働環境が悪いと感じるようであれば、一度冷静に問題点を洗い出した上で、施設長や人事に相談しましょう。
もちろん、すべての要求を飲んでもらえるに越したことはありませんが、相談する際は、事前に期限や条件など「自分が譲歩できる最低ライン」を設定しておいたほうが交渉しやすいかもしれません。
▼介護職を辞めたいときに確認するべき3つのこと
1. 介護職にやりがいがあるか
介護職を辞めたいときは、まず仕事にやりがいがあるかどうかを確認してみましょう。
具体的なやりがいとは、「その仕事に楽しさや達成感があるかどうか」です。
また、介護職が向いていないと思ったときは、初心に戻って自分が介護職に就いた理由を思い出すのもおすすめ。
仕事のやりがいと介護職を選んだ理由、2つを踏まえたうえで本当に辞めるべきか考えてみてください。
2. 介護職として活躍している将来の自分を想像できるか
数年後の将来、自分が介護職として活躍している姿を想像してみてください。
具体的なイメージができる場合は、現在の自分と将来の自分を照らし合わせてみましょう。
このまま介護職を続けて、想像した将来の自分に近づけるかどうかを判断に基準にするのも一つの方法です。
3. 客観的に見て辞めるべきかどうか
上記2つは主観的な部分ですが、客観的な面も確認しましょう。
職場環境や雇用条件を踏まえ、自分の年齢や習得しているスキルのレベルを考えた時に、今の職場がベストである可能性もあります。
もし客観的に見て「今の職場が合っている」と感じた場合は、そのままキャリアを積み重ねると良いでしょう。
逆に、向いてないと感じていたり、ミスマッチや違和感がある場合は、転職エージェントなどと相談しながら新たな選択肢を持つようにしましょう。
なお、客観的は判断基準の目安については、次のトピックで解説しているので参考にしてください。
▼介護職を辞めても良い人・辞めない方が良い人の特徴
続いて、介護職を辞めた方がいいケース、踏みとどまった方が良いケースを紹介していきます。
あくまでも目安にはなりますが、参考にしてください。
1. 辞めても良い人
・介護福祉士などの資格を持っている人
介護福祉士や介護支援専門員など、介護業界で即戦力として歓迎される強い資格を持っている方は、辞めても問題ありません。
介護業界は人手不足である上に、有資格者はどの施設にとっても貴重な存在なので、すぐに転職先が見つかるでしょう。
また、一般企業では採用されにくい50歳以上の方でも、介護福祉士などの資格があれば好条件で転職できる可能性があるので、在職中から求人情報には目を通しておくと良いでしょう。
・30代までの若手
20~30代の若手の方も、スムーズに転職が進む可能性が高いです。
介護業界では、年齢が若ければ経験が浅くても歓迎されるので、30代までの方は積極的に次のチャンスを窺ってみてはいかがでしょうか。
若い方は体力がある上に仕事を覚えるスピードも速いので、多くの介護施設にとって喉から手が出るほど欲しい存在です。
・1年程度介護職として働いた人
介護職として1年以上働いた経験がある方は、一定の経験を積んでいると評価されやすいです。
2カ月や3カ月だと「またすぐに辞めてしまうのでは?」と思われてしまう可能性が高いですが、1年以上の経験があれば立派な職歴として転職活動の際に評価されるでしょう。
また、1年以上の経験があれば介護職員としてのスキルや技能も身に着くので、実務の面においても有利になります。
2. すぐにやめるメリットが少ない人
・現職の給料が高く勤務歴も長い人
現在の職場で長く働いている方であれば、それなりに基本給が高いケースが多いです。
現職の給料が高い場合、不用意に転職すると給料が下がってしまう可能性があるので、収入減は避けたい場合は無理に転職するのはおすすめしません。
また、勤務歴が長いとその施設におけるノウハウが身に着いているので、新たな環境に慣れるのに苦労するリスクもあります。
そのため、現職の給料が高く勤務歴も長い方であれば、金銭的・キャリア的影響をしっかりと検討してください。
・何度も転職を繰り返している人
介護職は慢性的に人手不足にあるので、一般的には敬遠されがちな転職回数が多い方でも比較的転職先を見つけやすいです。
とはいえ、数カ月スパンで転職を繰り返しているような方はさすがに厳しいので、入職して間もない場合はやみくもに動きべきではありません。
最低でも半年以上、できれば1年以上の経験を積んでから転職を検討すると良いでしょう。
・労働条件が不当だと感じている人
入社前に提示された労働条件と実際の条件が違う場合や、労働条件が不当だと感じている方は、一度冷静に考えてみましょう。
自分自身の誤解だったケースもあるので、人事や総務の担当者に確認してみると良いでしょう。
もし確認を頼んでも動いてくれない場合や、実際に労働条件が相違していることが判明したら、転職を検討すると良いでしょう。
▼最後は自分が納得できるかどうか
「本当は介護職を続けたい、でも今の職場が自分に向いていない」と思っている方は、別の施設に転職すれば辞めたい気持ちが変わる可能性があります。
介護業界は人手不足のため、時期的にはいつ転職しても求人に困ることはないでしょう。
その際のポイントは、退職より転職活動を先に行うことです。
転職先を見つけてからであれば、収入の心配もなく焦らずに退職できます。
また、転職が決まっても今まで働いた施設への感謝は忘れないようにしましょう。
職場に何か問題があって辞めるのだとしても、円満退職するに越したことはありません。
お世話になった職員や親しくしてもらった利用者さまに尽くす気持ちで、今の職場での介護職をやりきりましょう。