【認知症の方への対応】こんなときどうする?介護の心がまえと接し方の3つのポイント

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 この記事のまとめ 

驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない
信頼関係を築く、良い感情を残すようにする、本人のペースに合わせる

 

 

認知症の方が、できるだけ長い間その人らしい生活をしていけるように支援をすることが認知症の介護です。
認知症の方の立場に立って適切な対応ができるよう、認知症の基本的な情報や、介護をしていく上での心がまえ、症状ごとの接し方などを紹介しますので参考にしてください。

 

◆認知症とは

認知症とは、さまざまな原因で脳の細胞が死んだり働きが悪くなったりすることで、記憶や判断力の障害などが起き、社会生活や対人関係に支障が出ることがおよそ6カ月以上継続している状態を言います。
認知症にはさまざまな種類があります。
脳の神経細胞がゆっくりと変性していくことが原因の認知症に、「アルツハイマー型認知症」や「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症」などがあります。
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因で起きる認知症には「血管性認知症」があります。
認知症の症状には、「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の二つの症状があります。
脳細胞が壊れることによって直接起きる障害である「中核症状」には、もの忘れなどの記憶障害や時間や場所がわからなくなる見当識障害、理解力や判断力の障害、遂行機能障害などがあります。
さらに、うつ状態や妄想といった「行動・心理症状(BPSD)」が環境や本人の性格等など個人差がありますが周辺症状として起こります。
これらの症状は、認知症が進行するほど強く現れ、仕事や家事、身の回りのことが徐々にできなくなっていきます。

 

◆認知症の方と接するときの心がまえ

認知症のケアは、本人がその人らしい生活や人生を全うできるように支えていくことです。
そのため認知症を正しく理解して、自分だったらどう生きていきたいかを考えながら、認知症の方への支援を行うことが重要です。
認知症の症状に最初に気が付くのは、ほとんどの場合本人です。
多くの人は進行していく病状を認識しており、大きな不安を感じています。
そのため認知症の方に接するときは、本人の心情に寄り添いながら
「①驚かせない ②急がせない ③自尊心を傷つけない」の「3つの“ない”」を心がけましょう。
また、適切な接し方が認知症の状態を安定させたり向上させたりすることにつながるので、以下のことを意識しましょう。

■まずは様子を見守る
■声をかけるときはなるべく一人で
■後ろから声をかけない
■相手に目線を合わせてやさしい口調ではっきりと話す
■相手の言葉にじっくり耳を傾け、余裕をもって対応する

なお、接する時間が長い家族などに対して、症状がより強く出る場合があります。
医師の診察ではしっかりと受け答えをするので、日頃の症状を理解してもらえず、家族が落胆するケースも見られます。
信頼しているからこそ甘えが出るのだろうと考えて、気持ちをおだやかに保つことが大切です。

 

◆認知症の方との接し方の3つのポイント

1,基本は「信頼関係」を築くこと

認知症を患うと、以前よりも物事を上手く行うことが難しくなってしまいますが、認知症の初期では、その事を本人は理解しています。
「以前の様に上手くできない」と感じていますが、「それを言い出すのは恥ずかしい」「これは年だからしょうがない」「家族の手を煩わせるのではないか」「テレビの認知症特集のような、あんな姿は見せたくない」などと考えています。
たとえ親子であっても、やはり自分の弱みを他人に見せるのは、恥ずかしいものがあります。
しかし、心のどこかでは「助けて欲しい」と思っており、さりげない気遣いや手助けを望んでいるのです。
本当は助けて欲しいけど言い出せないジレンマの中で、家族など身近の人に失敗などを怒られることが続けば、不安感や恐怖感などから強いストレスがかかり、精神的に不安定になります。
そうなると、すぐ怒ったり、夜に落ち着きがなくなったり、幻覚・幻聴や妄想などが出現します。
本人が安心して落ち着ける雰囲気作りを行い、ストレスをかけないよう心がけるだけで、認知症症状や問題行動などを和らげることができるでしょう。
逆に、十分に信頼関係が築けている場合は、非常に頼られる存在であるため、あれやこれやと様々な要求をすることがあります。
時には、きつく当たられることもあるでしょう。
ですが、それは信頼しているからこそ、自分の本心を隠さずに相手に訴えることができる関係である、と前向きに考えることも必要かと思います。

 

2,よい感情を残すようにする

認知症が進行してくると物事の事実関係は忘れてしまいますが、その時感じた感情は心に長く残っています。
「失敗した事柄」は忘れてしまい「怒鳴られた・怒られた」という感情だけが残ります。
「あの人は怖い人・すぐ怒る人、だから嫌い」などという感情だけが残ってしまい、お互いに信頼関係を築くことが難しくなってしまいます。
高圧的な言葉や態度は、本人に精神的な苦痛を与えることになります。
介護でつかれているときなどは、つい口調が強くなりがちですが、一旦飲み込みましょう。
また理解してもらおうとあれこれ説明するよりも、やんわりと優しく接する方が良いです。
私たちも、高圧的に難しい話よりもをする人よりも、ちゃんと自分の話を聞いてくれる方のほうが接しやすいのは同じでしょう。
いつも笑顔で接していれば、相手も笑顔で安心できるでしょう。

 

3,本人のペースに合わせる

思考力や動作が遅くなるため、一度に処理できる仕事量が減ってしまい、何をするにも時間がかかってしまいますが、何も出来ないわけではないため、急かしたりイライラせずに、本人のペースに合わせましょう。
他にも、認知症は「そのエピソード自体が記憶ない」というもの忘れのため、「記憶にないことは知らない、自分がやったんじゃない」と考えます。
私たちも身に覚えのないことを注意されても、「記憶にない事(自分はやってない事)をいくら言われても、知らないものは知らない!」と腹を立てますよね。
本人が知らない・違うと言ったら、事実と異なっていても本人の中では嘘や作り話をしているわけではないので、深く追求しないようにしましょう。
本人の自尊心や感情を傷つけないことも大切です。

 

◆困ったときの対処法

「まだご飯を食べてない」と言う

直前の出来事を忘れてしまい、また脳の機能も落ちているため満腹感も感じづらいです。
そのためいくら説明しても理解は難しく、「さっき食べたでしょ」「まだ何時でご飯の時間じゃないよ」と叱っては逆効果です。
「記憶にないことはやっていない」ため、本人の中では「ご飯はまだ食べていない」と本気で思い込んでいます。
そのため叱ってしまうと「なんで私だけご飯を食べさせてくれないのか・いじめを受けている」などと考えてしまいます。
このような場合には、「今準備しているから、先にこれでも食べててね」と言って、フルーツなどを出すのが良いでしょう。
食べ過ぎが気になる時は、一食分の食事量をあらかじめ減らしておいて、残りをおにぎりなどにして出すのも良いでしょう。
夜中に食べ物を探して冷蔵庫をあさるような場合は、あえてすぐ見つかる場所に簡単に食べられるものを置いておくのも良いかもしれません。

 

もの盗られ妄想

お金や貴重品を盗られたと思い込み、誰かが盗んだと訴えることがあります。
家族としては気分を害することもあるかもしれませんが、言い分を頭から否定したり、対立したりはしないで、まずよく話を聞きましょう。
「おやつを食べましょう」などの声かけをして、気持ちをほかに向かわせる工夫も効果的です。

 

無目的に歩き回る

無目的に歩き回る行動は、目的を忘れてしまう、自分の居場所がわからなくなり不安が強まるなどの理由から起こります。
日ごろから名前や連絡先がわかるものを身につけてもらったり、最寄りの交番などに相談して、保護されたときに連絡してもらえるようにしておきましょう。

 

攻撃的になる

病気の進行によりいろいろなことがわからなくなったり、できなくなったりすることへの不安や焦りなどから、興奮しやすくなり、かんしゃくや暴力を起こしてしまうことがあります。
そのときは否定したり叱ったりせず、本人を追いつめないようにすることが大切で、普段から安心できるような対応や環境を心がけることが予防になります。
かんしゃくや暴力が始まってしまったら、落ち着かせることを最優先に考えましょう。

 

失禁

トイレが間に合わなくても失敗をなじってはいけません。
寝る前に定期的にトイレに誘う、貼り紙をして夜は照明をつけトイレの場所をわかりやすくするなど工夫しましょう。

 

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次回は「男女雇用機会均等法」についてです!
お楽しみに★


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