慢性的な介護職不足が続く日本では、介護職員の確保が課題になっています。
質の高い介護職を養成できるように、それまでの養成体系が2013年度に刷新され、旧ホームヘルパー2級が介護職員初任者研修に、旧ホームヘルパー1級が介護職員実務者研修になるなどの変更がありました。
介護職員初任者研修は介護の道を志す人にとって、基本を学びステップアップする礎となる資格です。
求人の要件として介護職員初任者研修の修了が指定されることもあるため、ぜひ取っておきたいですね。
介護職員初任者研修では研修を受けた後に試験に合格することで修了となります。
試験があると聞くと不安になる方もいるかと思いますが、合格率や合格方法を知って、介護職員初任者研修をスムーズに修了したいところです。
この記事では、介護職員初任者研修の合格率や合格のポイントなどを解説します。
★講義と演習を合計130時間 → 最後に理解度を確認するための1時間程度の筆記試験
★筆記試験は、講義をしっかり理解していれば、ほぼ100%合格できる!
★仕事と通学のスケジュール調整の方が大変!
《 目 次 》
1… 介護職員初任者研修とは
2… 介護職員初任者研修の難易度
3… 介護職員初任者研修に合格するポイント
4… まとめ
1.介護職員初任者研修とは
介護職として働く上での入門資格に位置づけられる介護職員初任者研修とは、どのような研修なのでしょうか。
介護職員初任者研修の目的
介護業務を行うための基本的な知識やスキル、さらには心構えを身につけることです。
正しい方法を理解することで、身体介護や生活面のサポ―トを適切に行えることを目指します。
講義形式で基礎を学ぶ座学と、実際の介護動作の中でスキルを身につける演習がバランスよく配置されているので、介護の初心者にはうってつけの研修と言えます。
介護職員初任者研修のカリキュラム内容
介護職員初任者研修のカリキュラムは合計130時間です。
その内容は多岐に渡っていて、介護の基本から医療との連携、コミュニケーション技術に加えて、障害や認知症の理解まで、研修を修了することで一通り介護業務を理解できるように組み立てられています。
介護職員初任者研修の取得方法
介護職員初任者研修を修了するには、カリキュラムのすべてを通学で受ける方法と、通学&通信を併用する方法があります。
・通学
130時間の研修をすべてスクールなどで受講する方法です。
時間的な拘束は大きいですが、通学が必須になるためモチベーションは維持しやすいです。
・通学+通信
介護職員初任者研修では、通学に通信を組み合わせてスクーリングを減らす取得方法もあります。
130時間の研修内容の内、通信で受講できるのは40.5時間以内と決まっていて、多くの部分はスクーリングで受講することになります。
通信で受講する部分は、課題の提出が主な評価方法になります。
通学に関しては、働き方に合わせて、平日コース・土曜コース・夜間コースなどがあります。
自分の都合に合わせて選べる多様なコースがありますので、無理なく通えるコースを探しましょう。
2.介護職員初任者研修の難易度
介護職員初任者研修では研修を受け終えると、1時間程度の試験があります。
介護職員初任者研修の試験難易度は高くないと言われています。
基本的に、しっかりとスクールの授業を受けていれば、誰でも通ると考えて良いでしょう。
実際の合格ラインは70点以上です。
基本的な内容で、試験問題はほぼ選択式となっているため、70点以上をとるのは難しくないでしょう。
また、介護職員初任者研修の合格率は90%以上です。
試験を受けたほとんどの人は、合格できると考えて良いでしょう。
合格点に満たなかった場合にも再試験や追試の制度があるスクールがほとんどです。
そもそも、介護福祉士資格の国家試験やケアマネージャーの試験とは違い、受験者を振るい落とすのではなく、研修内容をしっかり理解しているかの確認を目的に行うのが、介護職員初任者研修の試験なのです。
一方、介護職員初任者研修では筆記試験に合格するのは難しくないものの、実技演習や仕事と学習の両立が大変だという声がよく聞かれます。
実技演習では車いすからベッドへの移乗など、介護現場で実際に使うスキルを身につけます。
介助のコツが分かっていない状態で行うため、体には大きな負担がかかり厳しさを感じることもあるでしょう。
また、介護職員初任者研修では合計130時間もの講義を受講することになります。
仕事をしながらの受講だと、休む時間もなくなりかなりハードな日々を送ることになります。
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3.介護職員初任者研修に合格するポイント
合格率が高いといっても、合格できるか不安になるものです。
介護職員初任者研修にしっかり合格するには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
授業をまじめに受ける
一番の秘訣は授業をまじめに受けて、講義の内容を吸収していくことです。
授業の中で講師が強調した部分は、メモをしておくのがおすすめです。
介護職員初任者研修の試験は、研修内容を理解しているかの確認のため、授業の中で強調された部分を中心に出題されることが予想されます。
ポイントをしっかり理解した上で試験に臨めば、問題なくクリアできることでしょう。
仕事との両立は大変ですが、効率的に進めていきましょう。
分からない箇所は質問する
しっかりと授業を聞いていても、介護現場独特の表現もあり不明点が出てきます。
「分からない」と感じた部分は後で講師に聞くようにしましょう。
質問すれば丁寧に回答してくれるでしょうから遠慮することはありません。
課題を確実に提出
通信を併用する形式の場合、3回ほどの課題レポート提出があります。
自宅学習の成果を確認する目的で行われるので、確実に提出することが大事です。
課題が返却されて間違っている部分があったら、内容を確認して見直しすることが大切。
課題に出される部分は試験でも問われる可能性が高いです。
試験中の心構え
試験は選択式で難易度も高くありません。
分からない問題があっても次に進むことで回答数を増やしましょう。
時間配分をして、できるだけ多くの問題に答えることがポイントです。
4.まとめ
介護の仕事を行う際に、初任者研修を修了しているかどうかによって関わる業務に違いがあります。
より介護の仕事を理解するために初任者研修を受講しておいた方が良いでしょう。
必要な課題(3回程度)を提出し、講座を全て出席していれば試験合格は難しくありません。
どちらかというと、講座を最後まで欠席せずに通学を行うためのスケジュールの調整の方が大変かもしれません。
仕事、家事・育児などとの同時進行はストレスも生じますので、土曜コース、夜間コースなど生活スタイルに合ったコースを選んで、無理のない計画を立てて臨まれることをお勧めします。
今回の記事を参考にしていただいて、より多くの方が試験に1発で合格できることを祈っています。